制汗剤は、夜お風呂に入った後につけるの?それとも朝の出勤前?そうそう、汗をかいた後につけるのはどうなの?

汗とニオイ対策に必須の制汗剤ですが、つけるタイミングを間違ってしまうと効果が得られないばかりか逆効果になることも。

ここでは正しい制汗剤のタイミングについてまとめました。

制汗剤を使うタイミングは制汗成分によって異なる

制汗剤を使うタイミングは、成分が塩化アルミニウムかどうか?によって異なります。

制汗剤に使われるアルミニウム系成分

  • 塩化アルミニウム
  • クロルヒドロキシアルミニウム
  • 焼ミョウバン

この中で、汗を抑える効果が強いのは「塩化アルミニウム」であり、クロルヒドロキシアルミニウムや焼ミョウバンは正直 ”気休め” 程度の効果しかありません。

【参考】脇汗に制汗剤が効かない!臭いにはいいけど汗が止まらない理由とは?


この違いが脇に付けるタイミングにも影響してくるのですが、その前にまずはアルミニウムが汗を抑えるメカニズムを理解しておきましょう。

上の【参考ページ】で詳細を書いているのでここでは簡単に説明しますが、アルミニウム系の成分が汗を抑えるメカニズムは汗腺の中に「フタ」を作るからです。

ただ、クロルヒドロキシアルミニウムと焼ミョウバンはこの作用が弱く、汗腺を塞ぐというよりも汗腺を引きしめる「収れん作用」しかありません。

そのため脇汗が多い人にとってクロルヒドロキシアルミニウムと焼ミョウバンは ”気休め” 程度の効果しか感じられないのです。

この効果の違いが、これから説明するタイミングの違いにもあらわれることをまずはご理解ください。


塩化アルミニウムは必ず「夜の寝る前」につけること

「制汗剤は夜の寝る前につけたほうが効果的だよ」という話をあなたも聞いたことがあるかと思います。

ただしこれは、汗腺に ”しっかりと” フタをしてくれる塩化アルミニウムに限った話です。

クロルヒドロキシアルミニウムや焼ミョウバンを夜につけて効果を感じる人もいるかもしれませんが、それはもともと脇汗の量が少ない人でしょう。

さて、塩化アルミニウムを夜につける理由ですが、これは寝ている間のほうが汗腺の機能が低下していてフタを作りやすいためです。

朝や日中など汗をかきやすい時間帯に塗ってしまうと、せっかく作りかけたフタを汗が押し出してしまい汗腺が塞がれません。

そのため塩化アルミニウムの場合は入浴後の寝る前につけたほうが効果的なのです。※汗が完全にひいてから

翌朝は痒みやヒリヒリ感を減らすため、濡れタオルでワキの下を拭きます。朝シャワーを浴びるなら、お湯でワキの下を洗い流しましょう。

寝ている間、汗腺にフタがしっかり作られていますから、ワキの下を拭いたり洗い流したりしても効果に影響はありません。

これで上手いこと自分の肌に合えば数日間は汗が出ないので、ニオイも発生しないことになります。

塩化アルミニウムは絶対に「夜」。これを覚えておきましょう。

当サイトで紹介している塩化アルミニウム系の制汗剤


それ以外の塩アルじゃない制汗剤は「朝」と「出先での塗り直し」で使う

先ほどお話したように、クロルヒドロキシアルミニウムや焼ミョウバンの制汗剤は汗を抑える効果が弱いため、正直 つけても汗は出てしまいます。

汗が出て時間がたてば、当然ニオイも発生することに。

それを考えてか、ほとんどのクロルヒドロキシアルミニウム/焼ミョウバンの制汗剤には臭いの原因菌を殺菌する成分が同時配合されています。

ですから朝の出勤前につけておけば、たとえ汗は抑えなくともその防臭効果によって、ニオイが発生するまでの時間を遅らせることができるのです。

また朝だけでなく、携帯しておいて外出先や仕事の昼休みに付け直すのも効果的。

付け直すことで午前中に役目を終えた殺菌成分が、午後の新たな殺菌成分にバトンをつなぐようなイメージですね。

このように付け直しや塗り直しをすることで、防臭の持続性を一日もたせるわけです。

ただ、制汗剤を塗り直す場合は、汗拭きシートなどで一度ワキの下をリセットしたほうが消臭作用はより高くなります。

逆にワキの下をきれいにしないでそのまま制汗剤を塗り直してしまうと、いくら殺菌成分といえども完全に菌をなくすのは難しいからです。

これらのことからクロルヒドロキシアルミニウム/焼ミョウバン系は、制汗剤というよりはデオドラント剤(=消臭剤)と考えたほうが、がっかりすることが少ないと個人的には感じています。


ワキガの場合は使う制汗剤やタイミングを組み合わせて

ここまでは、ただ単に脇汗が多い場合のタイミングや付け方でしたが、これがワキガとなるともう少し難しくなってきます。

ワキガ臭はアポクリン腺からの汗が原因であり、エクリン腺からの汗臭さにくらべるとどうしてもニオイが強いです。

そのため夜の塩化アルミニウムにくわえて、朝や日中はクロルヒドロキシアルミニウム/焼ミョウバン系で塗り直しという、両方を組み合わせたケアが必要になります。

つまり汗自体を抑えながら、同時にニオイケアもしなければならないわけです。

ただ、塩化アルミニウムがしっかり効いて汗が出なければ、ニオイの蒸散はある程度 防げますのでそれほどこまめに塗り直す必要はありません。


制汗剤をつけるタイミングのまとめ

塩化アルミニウム

つけるのは夜で入浴後の寝る前がベスト。朝はつける必要がない。


塩アル以外

朝の出勤前につける。出先での塗り直しも効果的。塗り直しのさいは汗拭きシートで脇を拭いてからにする。


ワキガの場合は、夜に塩化アルミニウム+朝や日中に塩アル以外を組み合わせるとよい