
脇汗をかく人にとって「自分がワキガかどうか?」はとても気になるはずです。
自覚なくニオイを放っていることを考えると、とても不安ではないでしょうか?
ここでは自分でできるワキガのチェック方法をまとめました。病院へ行く前にまずは自宅で試してみましょう。
ワキガは自分で気づくものなのか?

自分で自分のニオイがはっきりとわかり、「ああ、私はワキガなんだ」と自覚できるならまだいいです。あとは対策をすればいいわけですから。
いちばん怖いのは、自分がワキガだと気付かず周囲にニオイをふりまいていることですよね。
気付いていないのは自分だけで、まわりの人はあなたのワキガ臭を不快に思っている。こんな怖いことはありません。
よく「自分のニオイはなかなかわからない」と言いますが、本当でしょうか?
これについては、ワキガ・体臭・多汗治療の権威である五味常明医師が次のようにおっしゃっていました。
ニオイには嗅覚の順応という性質がある。腋臭でもその程度が強度になればなるほど嗅覚が慣れてしまい感じなくなる傾向がある。当院でも強度の腋臭の人の来院は比較的少なく、主は中等度から軽度の人であり、かなりのパーセンテージを「腋臭でない人」が占める。
自分のニオイをいちばん近くで嗅いでいるのはまぎれもなく「自分自身」であり、しかも毎日です。そのため鼻がニオイに慣れてしまい感じにくくなると。
興味深いのは、軽度よりも重度の人ほど自分のワキガ臭に気付かないという点です。自覚がないからこそ来院者が少ないわけです。
となると、【重度=ニオイが強い】わけですから、ワキガの程度が強い人ほど知らず知らず強烈なワキガ臭を放っている可能性がありますね。
なんだかますます不安になってしまう話ですが、どうにかして自分がワキガであることを確認する方法はないのでしょうか?
ワキガかどうかを自分で確認する方法1~遺伝性と耳垢

ワキガは遺伝によって子供に引き継がれることがわかっています。つまり、親からワキガ体質を受け継いだ人は、アポクリン汗腺が発達したり増えたりするわけです。
また耳垢の湿潤とワキガの関連も研究によって明らかとなっています。
これはアポクリン汗腺が脇だけでなく耳(外耳道)にもあることから、ワキガの人は分泌液によって耳垢が湿るためです。

これらのことから考えると、自分がワキガかどうかを判断するさいに次の2つが参考になります。
- 家族でワキガの人がいるかどうか?
- 耳垢が湿っているか?
家族内にワキガの人がおらず、自分の耳垢が乾燥していればあなたはワキガではありません。
逆にいえば、ご両親のうちどちらかがワキガであれば、あなたもワキガ体質を受け継いでいる可能性があります。ですから耳垢の湿り気を確認してみましょう。
MEMO
耳垢が湿っていれば100%ワキガ、というわけではありません。なかには湿性でも腋臭症ではない人がまれにいます。ただ、腋臭症と診断された人は必ず耳垢が湿っているのは間違いありません。
あとワキガは欧米人に多く日本人に少ないというのは有名ですが、データによると日本人の16%が湿性耳垢であり、その80%に腋臭があるとされています。
日本人全体における腋臭症の割合は約10%といわれています。
ワキガは成人してから急になることはない
このようにワキガというのは、遺伝にもとづいた生まれつきの体質といえます。
遺伝子に組み込まれた体の設計図に書き込まれている人だけがワキガになるのであり、大人になってからある日突然ワキガになることはありません。
多くは腋毛のはえ始める思春期に発症することがほとんどですが、早い人だと小学生の時点でにおい始めるケースもあります。
ワキガかどうかを自分で確認する方法2~服の匂いと黄ばみ

ワキガはにおいに特徴がありますから、着ていた服で確認することができます。
つまり、一日着たインナーの脇部分を自分で嗅いでみるわけです。
このとき脱いだ服をいきなり嗅ぐのではなく、いったんお風呂に入って鼻をリセットしたほうがより確実に判定できます。
というのも、先ほどの五味医師の引用にもあったとおり、人間の嗅覚には順応性があるからです。
お風呂で使うシャンプーなど香料の強いものを一度嗅ぐことで鼻がリセットされ、ワキガのニオイにも気付きやすくなるわけです。
またアポクリン汗腺が乳首や外陰部にあることにも注目。

つまりワキガの人は脇の下だけでなく、乳首や性器からも独特のニオイがしやすいのです。
俗に言うチチガ(乳首からにおう)、スソガ(性器からにおう)というもので、必ずしもすべての人がにおうわけではありませんが、判定材料としては使えるでしょう。
ですからちょっと変な話に聞こえるかもしれませんが、これら下着の匂いを一度確認してみてください。

あと衣類の脇部分やブラジャーなどが黄ばんでいたらワキガの可能性があります。
というのも、アポクリン腺から出る汗にはリポフスチンという色素成分が含まれており、これが黄ばみを作ってしまうからです。
ただ制汗剤の成分によって黄ばむこともありますので、これとは区別しなければいけません。
ワキガではない人でも制汗剤を使用しながら同じ服を長年着ていれば黄ばむことがある、ということです。
正確な判定をするためには、「すぐに黄ばむかどうか?」に注目しましょう。そんなに着ていない服なのに早々と黄ばんでしまったのならワキガの可能性があります。
正確な判断は医師がする
ここまで「自分でできるワキガのチェック方法」をお話しましたが、やはり正確な判断というのは医師にしかできません。
それにひとことでワキガと言ってもその程度には軽度から重度までさまざまです。
五味医師がおっしゃる「重度の人ほど気付かない」ケースはもちろん、場合によっては軽度であってもニオイの弱さから自分がワキガかどうかよくわからないケースも考えられます。
最終的な診断は医師がするべきものですので、セルフチェックだけに頼らず不安な場合は病院へ行くようにしましょう。