ワキガで手術を考えていても、傷跡が残ることへの不安やノースリーブが着れなくなるといった心配をする女性は多いと思います。

実は軽度のワキガであれば、自己流のケアを見直すことで対策が可能なケースも。

ここでは自分でできるワキガ対策をまとめました。書籍や論文などの根拠も示しましたのでぜひ参考にしてみてください。

自分で行なうワキガ対策の基本は3つ

ワキガを病院で治療するのではなく、あくまで自分なりに対策したい場合は、以下の3つが基本となります。

  • 制汗:汗を抑える
  • 静菌:細菌の増殖を抑える
  • 除毛:ニオイの拡散を抑える

ワキガ臭は、アポクリン腺から出た汗を皮膚常在菌が分解することで発生します。

【参考】ワキガとは何か?原因やにおうメカニズムをおさらい【基本が大事】


ですから汗そのものを抑える「制汗」が対策の第一歩となるのです。

このとき、エクリン腺から出る ”ふつうの” 汗も、蒸発するさいに脇の匂いを拡散させるため制汗対策はとても重要になります。

また汗や皮脂は、時間がたつと皮膚常在菌による分解がどんどん進むため、菌の繁殖を抑える「静菌」もニオイ対策には効果的。

さらに脇毛はニオイを抱え込む性質があり、かつ、汗の蒸発を促進するためニオイの拡散にも影響します。

ですからワキの下の「除毛」を合わせて行なうことも大切です。

軽度の腋臭症における対処法としては、制汗・静菌・除毛の3つが基本とされる。腋臭症では、発汗・細菌・腋毛がにおいの原因であり、通気を良くする衣服の工夫、こまめな洗浄・清拭・腋毛の処理など基本的な行動を見直すことでも症状の改善は期待できる。

これら3つの対策で十分な効果が感じられなかった場合に、はじめて病院での外科的治療の必要性がでてきます。

ですから病院へ行く前にまずは自分で対策することは、ワキガの程度を把握することにもつながるのです。


自分でワキガ対策1~塩化アルミニウム制汗剤で汗を抑える

とてもたくさんある制汗剤ですが、ワキガであるならば確実に汗を止めてくれるものを選びたいところ。

そのためには成分に「塩化アルミニウム」を採用しているものを選びましょう。

コンビニやドラッグストアで売られている制汗剤は、そのほとんどが「クロルヒドロキシアルミニウム」を配合しており、正直汗を抑える効果はあまり感じられません。

【参考】脇汗に制汗剤が効かない!臭いにはいいけど汗が止まらない理由とは?


先ほども書いたとおり、ワキガ対策の第一歩は「制汗」です。

ここがおろそかだとこの後の静菌や除毛もすべて無駄になってしまうので、いちばん重要視すべきといえます。


自分でワキガ対策2~デオドラントで細菌の増殖を抑える

軽度のワキガであれば塩化アルミニウムによる制汗だけでニオイを防げますが、程度が強い人、あるいは軽度でもニオイに不安がある場合はデオドラントも併用しましょう。

このとき、先ほどの制汗とは きっちり分けて考えるべきです。

つまり塩化アルミニウムは汗を止める目的、デオドラント剤はニオイを抑える目的と役割をはっきりさせ、商品も2種類使うということです。

制汗剤とデオドラント剤の併用例

デトランスα(パースピレックス)のような制汗効果の高いものをつければ、デオドラント剤はドラッグストアに売られているもので十分。

またワキガの場合、仕事中など出先でニオイが気になるケースは多いですよね?

ですからデオドラント剤は持ち歩いて外出先で使うことも視野に入れる必要があります。


制汗デオドラント剤を併用するときの付け方ですが、塩化アルミニウムは夜の寝る前、デオドラント剤は出勤前の朝や出先で使うのが基本です。

ただし、外出先でデオドラント剤を付け直すさいは、一度ワキの下を汗拭きシートで拭いてからにしましょう。そのほうが消臭作用が高まるからです。

このあたりについての詳細は以下のページを参考にしてください。

【参考】朝?夜?制汗剤をつけるタイミングと一日中におわせない正しい塗り直し方


自分でワキガ対策3~脇毛の処理でニオイの拡散を抑える

最後の脇毛処理ですが、基本的に多くの女性はムダ毛の処理をされていると思いますのでこれは問題ないでしょう。

男の私だと放っておけば3cmくらいの長さにまで伸びてしまい、匂いをため込みやすくなります。しかもエクリン腺からの汗がつたって、そのぶん蒸散を促進することに。

まあ少しくらいの長さであれば問題ありませんが、露出が減る冬は油断しないようにしましょう。


病院へ行く前にまずは試してみて

以上が自分でできるワキガ対策になります。

軽度であればこの3つで改善する可能性がありますので、まずは病院へ行く前にこれらを試してみてください。

大掛かりな手術は最後の手段です。